馬喰町は東京都中央区にあり、昔は問屋街として栄えた街です。現在も問屋が並んでおり、オフィス街も増えてきた街となっています。問屋街は店の看板も字体がレトロであるため、どこか懐かしさと新しさを感じる街といえるでしょう。若い年齢層には新しく映る街といえますし、物語から出てきたかのような印象さえあります。この場所、昼は賑やかですが、夜は静かな街であるため令和元年度の調査によると2,000人弱の人が住んでいるとのこと。静かな夜を過ごせますし、交通アクセスが抜群によいことを考えると住居としても申し分ない街です。
このような都心にありながらも落ち着いた街というのは、酸いも甘いも知った大人に好まれます。東京駅から近いこともあり、わざわざ馬喰町に移動してまで食事を楽しむとは思いにくいのですが、最近の傾向として静かに食事を楽しみたい層は遠方からも訪れています。駅周辺800メートル周辺に35件の焼肉店があり、店の形態はそれぞれ個性があります。しかし、どの店にも共通していえることは、仕入れにこだわっているという点です。国産の和牛を中心に提供していますが、店によっては銘柄をひとつに定めているところもあったり、複数の銘柄牛を時期によって入れ替えているようなところもあったりします。どちらが馬喰町の焼肉店として好ましいのかは人それぞれの好みによるところでしょう。どちらも一長一短があるため決めることはできません。
一つの銘柄に定めて仕入れを行っている店は、特別なルートを持っていることが多いです。生産農家まで直々にお願いして契約を取り付ける、食品問屋の営業に頼んで取り寄せてもらうなどの方法があるでしょう。なかには馬喰町の焼肉店の親会社が牧場を経営していることがあるかもしれません。ルートによっては仕入れが高く付いてしまうことも多いため、できるだけ中間を通さずに仕入れる方法が取られています。その方が店の利益になるだけではなく、お客様にもお手頃な価格でおいしい焼肉を食べてもらうことができるからです。みずからが牧場を営んでいたり、生産農家から直接購入したりするような場合は、牛が育つ上で餌や環境などに配慮した肉に限定して仕入れることができるため、おいしいだけではなく、身体にもよいものを仕入れることができます。
お客様においしくお手頃価格で食事をして欲しいと願うのは飲食店をしているオーナーであればほとんどの方が考えていることです。しかし、使っている牛肉がどのような餌を食べ、ストレスの少ない環境で育ってきたのかについては知らないことが多いと思われます。実は餌やストレスの有無というのは、牛のおいしさに深くかかわっているのです。同じ銘柄牛であっても微妙に味の違いを感じる人は牛の育った背景が関係あることが分かるでしょう。
銘柄によって味が微妙に違いますが、そこには好みがあります。馬喰町の焼肉店で見かけるのも、誰でも知るような銘柄牛だけではなく、どこの銘柄牛?とあまり聞かないような名前も見かけます。あまり見かけないからといって味が落ちるわけではありません。これから先、おいしさが注目されて脚光を浴びる可能性もある牛肉かもしれないからです。もしかすると全国区になる前においしさを見つけることができれば得した気分にもなるでしょう。
馬喰町の焼肉店にいったときには、どの銘柄の牛を使っているのかチェックした上でおいしく食事を楽しみましょう。最近では生肉を使ったメニューを多くのお店で提供するようになっています。肉寿司からたたきやカルパッチョなどがよく見られますが、どのメニューも逸品揃いです。新鮮な状態でしか提供できないため、衛生管理には特に気をつかっていますし、許可を得たお店でしか調理も販売もできないようになっています。